藤枝サークル 熱海サークル スポーツ吹矢、普及の方向性について考えてみる(1) - 日本スポーツウエルネス吹矢協会 静岡・焼津支部

スポーツ吹矢、普及の方向性について考えてみる(1)

| コメント(0) | トラックバック(0)

 日本スポーツ吹矢協会の「協会案内」(公式サイトの「プレスリリース」からダウンロードできます)によれば、2009年8月現在で協会会員数は17,000人。また、男女比は半々、年齢層は5歳から96歳とのことですが、今回はこの「年齢層」と今後の「普及のあり方」について、自分なりに考察してみようと思います。

 まずは年齢層について。実際にスポーツ吹矢を(特に支部を通じて)始めれば分かることのひとつに、「競技年齢の高さ」が挙げられるでしょう。協会のポスターやパンフレット等の資料では、老若男女まんべんなくアピールするようなモデルの人選になっていますが、やはり「シニア世代・シルバー世代」と呼ばれる層が圧倒的に多いのが現実です。当支部でも、その状況は変わりません。

 例えば、「高齢者向けスポーツ」としてゲートボールを駆逐するか如くの勢いで普及しているグラウンド・ゴルフを見てみると、

091019_1.jpg

のように70歳代が過半を占め、続く60歳代・80歳代を合わせるとここだけで約97%と殆どを占めるに至っています。一方、スポーツ吹矢はここまで詳しい情報が開示されていませんが、実感としてはそこまで高くはないかな...といったところでしょうか。青柳協会会長が経営されている株式会社ダイセイコーの前社長・青柳芳英氏(御子息でいらっしゃいます)が社長に就任された当時のインタビュー(注:PDFファイル)を見る限り、50歳代から60歳代が中心とのことですので、いくらかは実感の裏付けにもなっています。

 これには、スポーツ吹矢を体系化し協会を立ち上げられた当時の青柳会長ご自身の年齢が丁度その辺りだったことも影響しているでしょうし、激しい動作を伴わわず体力差のつきにくい競技の性格や、何より「(腹式)呼吸による健康効果」が、少なからず身体のどこかに不調が生じはじめるであろう世代に強く訴えかけたことが大きいと思われます。創生期からの協会の活動を知るわけではありませんが、諸々の要因から普及のポイントとしてシニア・シルバー世代の取り込みが中心となったであろうことは想像に難くありません。

 現状では、まだまだメジャーなスポーツとして一般に広く認知されているとは言いにくいところもありますが、少なくとも日頃健康についてアンテナをピピッと立てているシニア・シルバー世代にとってある程度馴染みのある競技になったのは、そうした普及の「正しさ」の成果であると言えるでしょう。しかし逆を考えた場合、当然のように「じゃあ、それ以外の(=それ以下の)世代はどうなの?」という疑問も同時に出てくるわけです。

 協会本部や用具の製造・販売元であるビックサクセス(=ダイセイコー)に若い世代の職員・社員さんが何人もいらっしゃるのは知っていますから、協会(とそれに付随する)組織が「シルバー世代によるシルバー世代のためのもの」でないのは分かっています。ただ、これまでの経緯や「現場」である全国各地の支部活動を含めた協会の運営状況が、どうしてもそちらに偏ってしまう構造を作り上げてしまっているのは、紛れもない事実でしょう。銀座教室で「20代・30代のためのスポーツ吹矢レッスン」が行われているのも、裏を返せば「黙っていては若い世代が入ってこない(きづらい)」という認識の表れと言えるでしょうし。

 勿論、これは善し悪しの問題ではなく、イコール協会批判でも全くありません。繰り返しになりますが、シニア・シルバー世代に絞った(と思われる)からこそ今の協会の隆盛があるのは事実であり、否定要素はどこにもないのです。ただ、今後のより一層のスポーツ吹矢の普及を考えた時、そこからの発展的転換もまた必要ではないかと思うのです。

 次回はそれを踏まえた「普及のあり方」について書いてみます。

トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.shizuoka-fukiya.net/mt/mt-tb.cgi/29

コメントする

2019年1月

    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

アーカイブ