藤枝サークル 熱海サークル スポーツ吹矢、普及の方向性について考えてみる(2) - 日本スポーツウエルネス吹矢協会 静岡・焼津支部

スポーツ吹矢、普及の方向性について考えてみる(2)

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 前回は、「まずシルバー世代に絞った(と推察される)普及活動が奏功して、スポーツ吹矢及び協会はここまで発展してきた。一方、当然ながら競技人口はシニア・シルバー層(中心は50歳代から60歳代)に偏ってしまっているため、今後は発展的転換による普及が必要ではないか」というところまで書きました。この「発展的転換」というのは、取りも直さず「これまでのスタンスにプラスして、より若い世代を取り込むための普及活動」に尽きるかと思います。

 前述の通り会員分布は高年齢層に偏っており、当支部だけではなく静岡県内各支部の状況、またこれまで見聞きしてきた限り、10歳代はおろか、20歳代・30歳代辺りの競技人口まで極めて少ないのが実情です。前回例に挙げたグラウンド・ゴルフのように、端から高齢者向けの位置づけであればそれも仕方ないのでしょうが、スポーツ吹矢の場合は普及のとっかかりとしてシニア・シルバー層からの普及を進めた(と思われる)だけであり、本来は全世代向けのスポーツのはず。それは、銀座教室で「20代・30代のためのスポーツ吹矢レッスン」を定期的に開催していること、ジュニア育成部を設けていることなどからも明らかです。

 本部がある東京や競技人口も多く競技知名度も高い関東地区では、それなりに世代も幅広くなってはいるのでしょう。しかし、ひとたび地方に目を向けると、協会活動の拠点となるべき支部においてはそうした世代は絶対的少数派。私自身、問い合わせレベルでも自分より若い方から連絡をいただいたことは一度もありません。理想は「高齢になってもでも楽しめる、競技としても老若男女の関係なく全世代で対等に争える」のはずが、現実は「ある程度以上の高齢者が楽しむ、そして近い世代だけで争っている」に留まってしまっている。では、それは何故なのか。理由はいくつか考えられます。

 まずは、高齢者のスポーツと思われていること。ここまでの普及活動を考えれば当たり前過ぎるのですが、想像以上にそのイメージは強いように思えます。マスコミ等で取り上げられる場合も、「高齢者が楽しめるスポーツ」という切り口が非常に多いですし、実際現場に取材に来てもそこではシニア層・シルバー層が大多数を占めているのですから、自然と方向性も固まってしまうのでしょう。少し前にTBS系の「サンデーモーニング」で全国大会の模様が時間を割いて紹介されていましたが、やはり「シニア・シルバー世代が頑張っている」という印象しか残りませんでした。

 また、スポーツ吹矢の健康効果を実感できるのは主に高齢者というのも挙げられるでしょう。協会の会報でも会員の体験談が毎月掲載されていますが、「大病を患ったが予後が良くなった」「慢性疾患が軽減された」といった声のほぼ全てはシニア世代以上の皆さんです。健康効果そのものは誰に対しても少なからずあるはずですが、病気とまでいかずとも加齢に伴う身体の不調が出てくる世代とそうでない世代とでは、実感の程度に隔たりがあるのは仕方のないことでしょう。

 勿論、スポーツ吹矢の根底には「(主に腹式呼吸による)呼吸による心身の健康増進」があるわけで、それは動かせない点ではあります。しかしながら、今現在で不調のない人間が将来をも見越して健康法を取り入れる、というのは意外と難しいもの。特に男性はそういう部分に無頓着だったりもしますし(自分だけ?)、まだまだ身体もよく動きスポーツの選択肢も数多くある若い世代に対して、「健康のためにスポーツ吹矢を!」と訴えたところでアピール力はどうしても弱く、限界も見えてしまうのではないでしょうか。

 とはいえ、若い世代に魅力のないスポーツかといえば、決してそうではありません。先日「すろーらいふ」の取材でモニターとして来て下さったKさんは、まだ35歳ですがいたく気に入られたようで、「お腹も使うし、集中力も付くような気がする」と熱心に吹いていらっしゃいました(興味のありそうな仲間を誘って再度体験に来られるかも、という話も伺っています)。お子さんのS君も楽しそうに吹いていましたし、実際お子さんからの受けがいいことは過去の経験上からも実感しているところです。

 こうしたことは非常に嬉しく、微力ながら普及に努めている立場として大変励みになります。しかし、仮にまた来ていただいたとして、長く続けていただけるのかを考えた時、はたと困ってもしまうのです。どうしてそう考えるのか、次回はその辺りから続けます。

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