藤枝サークル 熱海サークル 青柳杯の男女別開催化を考える - 日本スポーツウエルネス吹矢協会 静岡・焼津支部

青柳杯の男女別開催化を考える

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 協会の公式サイトや会報で既報の通り、4月9日に開催される今年の青柳杯は、男女別の開催となりました。従来は「三段以上の高段者」という条件のみで、男女混合での開催でしたから、大きな変更です。

 ご存知の通り、スポーツ吹矢は取り立てて強靱な筋力・体力を必要とせず、若いからといって必ずしも有利とは限りません。協会で設けている段位・級位に男女の別がないことからも、基本的には老若男女が同一条件で等しく楽しめる、競うことのできるスポーツであると言えます。

 そういう意味でも、男女が混合で「実力日本一」を決める青柳杯は、名実ともに協会最高峰の大会に相応しい性格を持っていると思っていただけに、この変更は正直意外な決定でした。ラウンド数や試合形式が異なるとはいえ、全国大会も10mの部は三段以上が男女別に競いますから、それぞれの位置づけが微妙なものになりはしないか、という疑問(というか心配というか)も感じます。

 では、何故このタイミングで男女別への変更を決めたのか。そこに至るまでの経緯は勿論分かりませんから私の想像になりますが、恐らくは参加者の男女比が大きく影響しているものと考えられます。

 過去4回の青柳杯参加者を見てみると、男性参加者の割合はおよそ7割強。女性は3割に届くか届かないかという水準で、殆ど変化がありません。男女それぞれで実力の分布が同程度だと仮定すれば、決勝トーナメント(いわゆる「ベスト16」)に進出できる男女比も、期待値レベルでは変わらないはずです。

 勿論、トップレベルの実力は、男女に関わらず拮抗しているでしょうから、一旦決勝に進出すれば優勝の可能性まで7:3というわけではありません。一昨年の全国大会(10mの部)の優勝スコアは女性>男性、史上最高点としてテレビでも紹介されたほどで、現に同年の青柳杯では、準決勝はいずれも男性対女性の争いとなっていました。

 とはいえ、単純に数字上の話として、青柳杯で女性が優勝する(決勝に進出する)可能性が低く見えるのは事実。男女別にすることで、女性にも「青柳杯優勝」の栄誉が確実に与えられ、参加意欲の向上や大会の活性化に繋がるのならば、と協会が思案しても不思議ではありません。(繰り返しますが、あくまで私の想像です)

 ただ、これがすぐに男女比の変化に繋がるかといえば、そう簡単でもなさそうではあります。協会公式サイトには五段と四段の一覧がありますが、男性の割合は青柳杯と同様に7割強。三段の内訳は分からないものの、「三段以上」という括りで男性比率が圧倒的に高いのは間違いないでしょう。つまり、そもそもの期待値で参加者の男女比が7:3前後に落ち着くのは、致し方ないと言えます。

 これを裏付けるデータとして、過去4年の全国大会参加者男女比を、10mの部、8mの部それぞれでグラフにしてみました。

110120.gif ご覧の通り、2007年こそ女性比が少々高めでしたが、ここ3年は見事なまでにほぼ7:3で揃っていて、「期待値」としての比率通りの数字です。一方、初段・二段が参加する8mの部では、男女比が6:4前後となり、明確な違いが読み取れます。

 例えば、段・級位は抜きにすると、49名いる当支部の男女比はほぼ半々です。また、県内他支部などを見ても、著しく男性が多いようには思えません。私自身、吹矢歴が特別長いわけではありませんので確実とは言い切れませんが、男性ほど競技志向が強く、女性ほど健康志向が強いために、段位取得や大会参加への意欲に差が出るという想像も、あながち間違っていないように思います。

 勿論、こんなことは正確なデータや経験の蓄積がある協会本部にとって既知のことのはず。来年度以降の大会規定変更も関わっているのかもしれませんが、やはり今回の男女別開催の真意は、男女比の是正ではなく、特に女性会員のより一層の参加を促す点にあると考えるのが妥当なところでしょう。

 この変更によって、青柳杯がどう変わるのか、またどう盛り上がっていくのか。私自身、今年は初参加を予定していますので、しっかり体感してきたいと思っています。

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