梅雨時期でジメジメしがちとはいえ、まだまだ過ごしやすい気温の日が続いていましたが、この日は朝から「暑い!」と感じるほどモワッとしていました。後から知ったこの日の最高気温は、静岡市で32度。いきなりの真夏日に、3台の扇風機がフル稼働となった今回は、静岡会場で今年最高となる25名が参加し、大変賑やかな練習となりました。
前回見学に来られたY本さんは、今回もマイ用具持参でお見えになり、正式に支部の仲間入りです。当支部では、一昨年10月に初の体験会を開いて以降、メンバー増に向けての特別な活動はしていませんが、幸いにしてポツポツと体験・見学の方はあり、年間を通してみれば微増傾向。現状、練習会場(特に静岡)の都合もあり、積極的に増やすわけにいきませんので、このくらいが丁度いい感じではあります。
練習では、月後半の回ということで、恒例の記録会を実施しました。次に受験する場合の距離(例:初段の方なら9m)から3ラウンド(1ラウンド目は試矢込みで7本)の試合形式ですが、最近意欲的な方が多いからか、いつも以上に高得点が続出。人数が多いこともあり、なかなか白熱した争いとなりました。
そんな激戦で頭ひとつ抜けたのが、H越さん。2ラウンド目にパーフェクトが出るなど、合計97点で第1位となりました。2位は僅か2点差でT橋さん、3位は同じ93点(距離も同じ)ながら、2・3Rでの点数が高かったS野さん、その後に同点で私、そして5位のA木さん(91点)まで、25名中5名が90点をクリアです。
私はまだまだ復調途上で、いい時と悪い時がハッキリしすぎているのですが、S野さんは高いレベルで安定を保っており、来月の青柳杯ではぜひ当支部のエースとして頑張っていただきたいところ。また、同じく青柳杯に出場する、障がい者競技会車椅子10mで準優勝だったH川さんも安定性は高く、本番での強さを考えれば、こちらも期待大です。(私はお二人の引率ということで...)
ところで、この日も「Mr.パーフェクト」として35点を記録したS野さん、そのパーフェクトで変わった刺さり方をしました。
今までの経験上、既に刺さった矢に当たった際、旧タイプの矢では、(1)奇麗なダブル(2)矢尻を潰してダブル(3)矢尻を潰して撥ね矢の3パターンが殆どだと思います。それが、新タイプの矢の場合、このようにダブるにも撥ね矢にもならず、かすった矢を大きく変形させながら刺さるケースが、まま見られるようになりました。
恐らく、先端の形状変化と重量増により、矢勢が勝ちやすくなっているんだろうと思われますが、S野さんの例のように変形されると、次の矢が残っていた場合心理的にど真ん中を狙いづらくなる可能性はあるでしょう。また、私の経験では変形だけでなく、軌道を変えられて低い点数のエリアへ刺さってしまうケースもありましたので、稀な頻度とはいえ新タイプの矢のリスクといえるかもしれません。
▼本日のパーフェクトは、本文でも触れた通りH越さん(左)とS野さん(右)のお二人でした
さて、つい最近ですが、当支部にとって大変悲しい報せがありました。一昨年の体験会を機に入会され、大変熱心に吹矢に取り組んでいらした男性会員の方が、先週の金曜日にお亡くなりになったのです。まだ69歳と、あまりに早すぎるお別れです。
実は、1年半ほど前に、ご本人から「あんまりよくない話なんだけど」と、医者から病気を告知され、現状では手術のしようがなく、投薬治療で病状の好転を待つしかないという事情を伺っていました。しかし、幸いにして痛みなどの自覚症状は「全然ない」(ご本人談)とのことで、この3月まで元気に練習に参加されていたほどです。
4月になって、「痛みが出てきてしまって、呼吸もちょっとしんどいので、しばらく休みます」とお電話をいただきしばらくの休会となりましたが、デリケートなことでもあり、こちらから病状を尋ねるのも憚られ、結局話をしたのはそれが最後となってしまいました。後から伺った話では、休会の間も入院して伏せっていたとかではなく、亡くなった日の直前まで庭で畑作業をしていたとのことで、ご家族にとっても、近しい方々にとっても、本当に突然だったようです。
火・水と営まれたお通夜と告別式には、多くの支部員さんにご参列いただきましたが、この日の練習で改めて全員で黙祷を捧げました。その内、何事もなかったように吹矢用具を詰めたリュックを背負ったいつもの姿で、練習会場に現れそうな気がしてなりませんが、今はただただ、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
常に前向きで朗らかだったお人柄に負けないよう、これからも明るく楽しい支部活動をしていきたいと思いますので、旅路の先でも吹矢を楽しみながら、我々のことを応援していただければなぁと、そう考えているところです。
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