5月後半の夜間は、ちょっと少なめの9名による練習でした。いわゆる"夜間所属"の方が増え、10名以上が当たり前のようになって久しいですが、ヒト桁は実に7ヶ月振りのこと。順番待ちの人数も少なく、普段以上に静かな(黙々と吹く)練習となったようにも思います。
今回はそんな少人数も幸いし、たまたま目に留まったM月(Y)さんにアドバイスをする機会がありました。初段を目指して8mから練習しているM月さんですが、先日来、筒を構えて吹く段になると、(1)前傾姿勢となり、(2)上体だけの力が入った吹き方で、(3)矢の行方がバラツく、という傾向が目立つようになっていたのです。
そこで改めて観察した結果、ひとつポイントを発見しました。それは、構える足の位置が、かなり正面に近いというものです。ラインに対して、申し訳程度(測ったわけではありませんが、10度くらいでしょうか)の斜め具合のため、的に向ける意識が強すぎると、上体が前へ前へとなってしまい、その副作用で力も入りやすいのだろうと判断しました。
マニュアル的には、「45度程度」とされている構えの角度。これは「腰をひねらずに、無理なく顔を正面に向けることの出来る角度」と言い換えることが出来ます。体の柔軟性や体格・体型は千差万別ですから、必ずしも45度程度である必要はありませんが、それでも10度程度はいかにも浅すぎますし、上体がツッコむようではデメリットが勝ってしまっています。
ということで、足下に斜めのラインを引き、もっと角度を付けて吹いてもらうようにしてみました。正面立ち(に近い)が故の不安定さは解消されるでしょうから、少なくとも上体が前のめりになるのは大方避けられるはず、との予測はピタリと当たり、そのためか力の入り方も軽減されたように見えます。アドバイスされた直後の集中力アップという部分を差し引いても、明らかに矢のまとまりには向上が見られました。
勿論、自ら意識をしっかり持たなければ、元の木阿弥となるのも簡単です。試合や試験で足下にラインが引いてあるはずもありませんし、地道な反復練習で「いいイメージ」を身につけていっていただければと思います。
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