藤枝サークル 熱海サークル 日本スポーツウエルネス吹矢協会 静岡・焼津支部: 2009年10月アーカイブ

2009年10月アーカイブ

 前回は、「まずシルバー世代に絞った(と推察される)普及活動が奏功して、スポーツ吹矢及び協会はここまで発展してきた。一方、当然ながら競技人口はシニア・シルバー層(中心は50歳代から60歳代)に偏ってしまっているため、今後は発展的転換による普及が必要ではないか」というところまで書きました。この「発展的転換」というのは、取りも直さず「これまでのスタンスにプラスして、より若い世代を取り込むための普及活動」に尽きるかと思います。

 前述の通り会員分布は高年齢層に偏っており、当支部だけではなく静岡県内各支部の状況、またこれまで見聞きしてきた限り、10歳代はおろか、20歳代・30歳代辺りの競技人口まで極めて少ないのが実情です。前回例に挙げたグラウンド・ゴルフのように、端から高齢者向けの位置づけであればそれも仕方ないのでしょうが、スポーツ吹矢の場合は普及のとっかかりとしてシニア・シルバー層からの普及を進めた(と思われる)だけであり、本来は全世代向けのスポーツのはず。それは、銀座教室で「20代・30代のためのスポーツ吹矢レッスン」を定期的に開催していること、ジュニア育成部を設けていることなどからも明らかです。

 本部がある東京や競技人口も多く競技知名度も高い関東地区では、それなりに世代も幅広くなってはいるのでしょう。しかし、ひとたび地方に目を向けると、協会活動の拠点となるべき支部においてはそうした世代は絶対的少数派。私自身、問い合わせレベルでも自分より若い方から連絡をいただいたことは一度もありません。理想は「高齢になってもでも楽しめる、競技としても老若男女の関係なく全世代で対等に争える」のはずが、現実は「ある程度以上の高齢者が楽しむ、そして近い世代だけで争っている」に留まってしまっている。では、それは何故なのか。理由はいくつか考えられます。

 まずは、高齢者のスポーツと思われていること。ここまでの普及活動を考えれば当たり前過ぎるのですが、想像以上にそのイメージは強いように思えます。マスコミ等で取り上げられる場合も、「高齢者が楽しめるスポーツ」という切り口が非常に多いですし、実際現場に取材に来てもそこではシニア層・シルバー層が大多数を占めているのですから、自然と方向性も固まってしまうのでしょう。少し前にTBS系の「サンデーモーニング」で全国大会の模様が時間を割いて紹介されていましたが、やはり「シニア・シルバー世代が頑張っている」という印象しか残りませんでした。

 また、スポーツ吹矢の健康効果を実感できるのは主に高齢者というのも挙げられるでしょう。協会の会報でも会員の体験談が毎月掲載されていますが、「大病を患ったが予後が良くなった」「慢性疾患が軽減された」といった声のほぼ全てはシニア世代以上の皆さんです。健康効果そのものは誰に対しても少なからずあるはずですが、病気とまでいかずとも加齢に伴う身体の不調が出てくる世代とそうでない世代とでは、実感の程度に隔たりがあるのは仕方のないことでしょう。

 勿論、スポーツ吹矢の根底には「(主に腹式呼吸による)呼吸による心身の健康増進」があるわけで、それは動かせない点ではあります。しかしながら、今現在で不調のない人間が将来をも見越して健康法を取り入れる、というのは意外と難しいもの。特に男性はそういう部分に無頓着だったりもしますし(自分だけ?)、まだまだ身体もよく動きスポーツの選択肢も数多くある若い世代に対して、「健康のためにスポーツ吹矢を!」と訴えたところでアピール力はどうしても弱く、限界も見えてしまうのではないでしょうか。

 とはいえ、若い世代に魅力のないスポーツかといえば、決してそうではありません。先日「すろーらいふ」の取材でモニターとして来て下さったKさんは、まだ35歳ですがいたく気に入られたようで、「お腹も使うし、集中力も付くような気がする」と熱心に吹いていらっしゃいました(興味のありそうな仲間を誘って再度体験に来られるかも、という話も伺っています)。お子さんのS君も楽しそうに吹いていましたし、実際お子さんからの受けがいいことは過去の経験上からも実感しているところです。

 こうしたことは非常に嬉しく、微力ながら普及に努めている立場として大変励みになります。しかし、仮にまた来ていただいたとして、長く続けていただけるのかを考えた時、はたと困ってもしまうのです。どうしてそう考えるのか、次回はその辺りから続けます。

 日本スポーツ吹矢協会の「協会案内」(公式サイトの「プレスリリース」からダウンロードできます)によれば、2009年8月現在で協会会員数は17,000人。また、男女比は半々、年齢層は5歳から96歳とのことですが、今回はこの「年齢層」と今後の「普及のあり方」について、自分なりに考察してみようと思います。

 まずは年齢層について。実際にスポーツ吹矢を(特に支部を通じて)始めれば分かることのひとつに、「競技年齢の高さ」が挙げられるでしょう。協会のポスターやパンフレット等の資料では、老若男女まんべんなくアピールするようなモデルの人選になっていますが、やはり「シニア世代・シルバー世代」と呼ばれる層が圧倒的に多いのが現実です。当支部でも、その状況は変わりません。

 例えば、「高齢者向けスポーツ」としてゲートボールを駆逐するか如くの勢いで普及しているグラウンド・ゴルフを見てみると、

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のように70歳代が過半を占め、続く60歳代・80歳代を合わせるとここだけで約97%と殆どを占めるに至っています。一方、スポーツ吹矢はここまで詳しい情報が開示されていませんが、実感としてはそこまで高くはないかな...といったところでしょうか。青柳協会会長が経営されている株式会社ダイセイコーの前社長・青柳芳英氏(御子息でいらっしゃいます)が社長に就任された当時のインタビュー(注:PDFファイル)を見る限り、50歳代から60歳代が中心とのことですので、いくらかは実感の裏付けにもなっています。

 これには、スポーツ吹矢を体系化し協会を立ち上げられた当時の青柳会長ご自身の年齢が丁度その辺りだったことも影響しているでしょうし、激しい動作を伴わわず体力差のつきにくい競技の性格や、何より「(腹式)呼吸による健康効果」が、少なからず身体のどこかに不調が生じはじめるであろう世代に強く訴えかけたことが大きいと思われます。創生期からの協会の活動を知るわけではありませんが、諸々の要因から普及のポイントとしてシニア・シルバー世代の取り込みが中心となったであろうことは想像に難くありません。

 現状では、まだまだメジャーなスポーツとして一般に広く認知されているとは言いにくいところもありますが、少なくとも日頃健康についてアンテナをピピッと立てているシニア・シルバー世代にとってある程度馴染みのある競技になったのは、そうした普及の「正しさ」の成果であると言えるでしょう。しかし逆を考えた場合、当然のように「じゃあ、それ以外の(=それ以下の)世代はどうなの?」という疑問も同時に出てくるわけです。

 協会本部や用具の製造・販売元であるビックサクセス(=ダイセイコー)に若い世代の職員・社員さんが何人もいらっしゃるのは知っていますから、協会(とそれに付随する)組織が「シルバー世代によるシルバー世代のためのもの」でないのは分かっています。ただ、これまでの経緯や「現場」である全国各地の支部活動を含めた協会の運営状況が、どうしてもそちらに偏ってしまう構造を作り上げてしまっているのは、紛れもない事実でしょう。銀座教室で「20代・30代のためのスポーツ吹矢レッスン」が行われているのも、裏を返せば「黙っていては若い世代が入ってこない(きづらい)」という認識の表れと言えるでしょうし。

 勿論、これは善し悪しの問題ではなく、イコール協会批判でも全くありません。繰り返しになりますが、シニア・シルバー世代に絞った(と思われる)からこそ今の協会の隆盛があるのは事実であり、否定要素はどこにもないのです。ただ、今後のより一層のスポーツ吹矢の普及を考えた時、そこからの発展的転換もまた必要ではないかと思うのです。

 次回はそれを踏まえた「普及のあり方」について書いてみます。

 日本経済新聞社のWeb pageにある「日経WagaMaga」というコミュニティサイトで、2007年に日本スポーツ吹矢協会の青柳会長へのインタビュー記事が5回連続で掲載されました。フォームの用語など若干現状と異なる部分はありますが、会長ご自身の発言ということもあり面白く読めると思います。記事の中、一貫して「スポーツ吹き矢」と書かれているのが気にはなりますが...。

第1回 スポーツ吹き矢のルール
第2回 命中したときの快感
第3回 呼吸法で健康維持
第4回 吹き矢の始め方
第5回 段位と全国大会

 去る10月11日に磐田で県大会の打ち合わせがあったのですが、同時に開催された役員会において、県協会として静岡県レクリエーション協会(レク協/http://shizu-rec.com/)へ加盟申請することが決定。それを受け、昨日O場県協会会長と共にレク協の事務局を訪問し、早速申請書を提出してきました。

 レク協は、その名の通りレクリエーション活動の推進・振興を行う総本山ですが、体育協会が統括する"競技スポーツ"の範疇には含まれない、いわゆる"ニュースポーツ"や"ユニバーサルスポーツ"と呼ばれるスポーツ団体も数多く所属しています。

 これまでは、まだその段階にないという状況でしたが、「静岡県スポーツ吹矢協会」が正式に発足したこと、当支部含め県協会所属の会員が100名を超えたこと、類似吹矢団体が県内にも複数存在する中、より積極的に普及を進めていく上での必要性が強まったことなどから、今回の加盟申請に至りました。

 年度ごとの入会処理ということで、実際に加盟となるのは来年4月からとなるようですが、今後はレク協主催(あるいは協力)のニュースポーツイベント等でもアピールできる機会が増えていくものと思われます。また、来年11月には静岡で「第64回全国レクリエーション大会」の開催が決まっており、そういう意味でもベストのタイミングではないでしょうか。(吹矢絡みで何かあるとかないとか...)

 実際にレク協関連の話が出るのは次年度以降となりますが、何か動きがあれば随時お伝えしていこうと思っています。

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第2回長崎県スポーツ吹矢大会

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 10/10に開催された模様が、YouTubeにアップされていました。

 会場内の様子は勿論ですが、こうした映像によって支部以外の方々がどんな感じで吹いているかを見るだけでも、かなり参考になるのではないでしょうか。

大村公民館での練習

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 事前のご案内通り、10/10焼津での練習はいつものウェルシップではなく、大村公民館の大集会室で行われました。ウェルシップもかなり新しい(平成15年開館)のですが、こちらも数年内で建て替わったらしく、非常に綺麗な施設でした。

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 今回は人数が少なめだったので的は4台しか設置しませんでしたが、写真の通りスペースにはまだ余裕があります。多分6台までなら並べられそうな...。机・椅子も元々ありませんから、準備・片付けの手間暇もあまりかかりません。駐車場→建物→大集会室の導線もほぼ直線で短く、その点でも非常に使いやすい会場でした。

 と、これだけならいいことずくめですぐにでも会場を移したいところでもありますが、ウェルシップより使用料が高い(冷暖房費込みだと倍以上)という現実的な事情もあり、今すぐというわけにはいかないのが残念なところ。この辺は支部員の皆さんとご相談ということにもなりますが、2月にもう一度利用する回がありますので、それを待ってまた検討できればいいかなと思っています。

10月10日の練習会場について

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 10月10日(土)焼津での練習は、いつものウェルシップが取れなかったため、近くにある大村公民館へ場所を移します。住所や地図は下記の通りとなりますので、お間違えのないようにお越し下さい。

 なお、以降の年内は全てウェルシップが確保できていますが、年明けの2月にも一度大村公民館になる(予定)日があります。確定しましたら改めてご案内しますので、よろしくお願いします。


・焼津市大村公民館
  住所:焼津市大覚寺575-1 電話:054-629-3351
  ホームページ:http://www.city.yaizu.lg.jp/kouminkan/oomura/oomura_index.htm
  ※支部・練習会についてのお問い合わせは、公民館へしないようお願いします。


大きな地図で見る

 昨日の練習で、フリーペーパー「すろーらいふ」の取材がありました。

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 「すろーらいふ」は、静岡・焼津・藤枝の各市内で三百数十カ所の店舗・施設に設置(配布)されている月刊誌ですが、幅広い読者層に訴える地域密着性の高い編集内容がスポーツ吹矢と当支部のアピールに適していると判断。さすがに支部費からの支出は憚られますので、ちょっとばかり自腹を切って掲載(広告なのですよ)をお願いすることにしたのです。

 お越しいただいたのは、今回の営業も担当されている「すろーらいふ」編集部のSさんと、読者モニター(モデル)Kさんご家族(ご夫婦と小学2年生の男の子Sくん)との計4名の方々。いわゆる「ペイドパブリシティ(記事体)広告」の体裁ですので、恐らく編集内容としては、

 ・読者モニターが、新しいスポーツ「スポーツ吹矢」に挑戦!
 ・そこで「日本スポーツ吹矢協会 静岡・焼津支部」にお邪魔しました!
 ・意外な面白さに読者モニターも満足!
 ・支部ではこんな方々が楽しんでいます!
 ・ご興味を持たれた方は是非こちら(支部の連絡先)まで!

という流れになるものと思われます。

 というわけで、スポーツ吹矢の健康効果を簡単にレクチャーした後、早速吹いていただくことに。体験会などでもそうなのですが、全く初めて吹く方は「本当に届くの?」という疑問を持たれるケースが非常に多いです。今回のKさんご夫妻もそのようなことを仰っていましたが、勿論何の問題もなく6mから的に当たっていました。

 何本か吹いていただいての感想は、「結構面白いかも...」。特にご主人は、最初から(一通りの手順を説明しただけにも関わらず)非常に「様になる」フォームで素晴らしい吹き筋、しかも高得点を連発。初体験でこれだけの方は見たことがなかったため、ついつい賞賛の言葉を何度も口にしてしまいましたが、お世辞でも何でもなく、そのまま支部にお誘いしたいほどの逸材でした。

 また、奥様もお子さんのSくんも楽しそうに繰り返し吹いて下さって、取材を依頼した側としてもほっと一安心。そうそう、ご両親や自分の点数をササッと暗算しているSくんの頭の回転の良さには、かなり感心しました。一方、撮影で忙しそうにしていたSさんも、合間合間でチャレンジして下さり、やはり同様に楽しんでいただけた様子。

 メインとなる(と思われる)Kさんご家族の吹いている様子を写した後は、出席していた支部員と一緒の集合写真をパチリ。全員で筒を構えるというSさんのリクエストでしたが、あまりないシチュエーションだけに出来上がりが楽しみなような不安なような...。

 とにもかくにも、3時間ほどの取材は滞りなく終わり、SさんとKさんご家族は体育館を後にされました。多分、スポーツ吹矢というスポーツの面白さは感じていただけたと思いますので、それが紙面から読者に伝われば言うことはありません。

 なお、この模様は今月26日発行の11月号に掲載予定です。スポーツの秋まっただ中でもありますので、少しでも反響のあることを願っています。


●おまけ写真その1
 真剣に吹くKさんのご主人と、それを激写中のSさん
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●おまけ写真その2
 6mから見事パーフェクトを達成したKさんのご主人、偉業を持参のカメラで撮影
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●おまけ写真その3
 取材の合間にチャレンジ中のSさん
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 取材して下さったSさん、ご協力下さったK家のみなさん、本当にありがとうございました!

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